診療コラムMedical column

膵がんについて 第1回

消化器内科・院長補佐兼消化器内科主任部長 竹山 友章 2024年03月01日 消化器内科

消化器内科医のつぶやき 膵癌編 連載第1回

皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は公立西知多総合病院 消化器内科の竹山です。
当院のホームページが更新されるということで唐突に始まりました。診療科コラムです。
消化器内科でも何か書いてくれ、と言われました。指名されるのでは、と大きめの体を小さくしていましたが、無駄でした。白羽の矢が立ってしまったので書くしかありません。
ネタは何がいいかなあ、と考えました。

自分は消化器内科でも胆膵疾患が専門です。もちろん胃カメラや大腸カメラもたくさんしてきました。人よりたくさん検査してきたと自信があります。でも専門はやっぱり胆膵なんですね。なので胆膵疾患でなにか皆さん興味がありそうな、病気を考えて決めました。
膵癌にしよう。と。

最近膵癌になった著名人も結構います。結構需要がありそうだと見込んでいます。
ひょっとしたらバズるかもしれません。
でもやるからにはまじめに書きます。文才が無いので読みづらいところなどありますが、ご容赦ください。
というわけで始めます。

第1回はざっくり膵癌の全体像についてご説明します。

1. 膵癌について

膵癌は当たり前ですが膵臓にできた癌のことです。
当たり前です。
でも膵臓って聞いたことあるけど、どこで何しているのかしら?と思う方は多いんじゃないでしょうか?
膵臓はお腹の臓器で、胃の裏側で背中に近い場所にあります。

膵癌について

出典 「国立がん研究センターがん情報サービス」

膵臓には2つの重要の仕事があります。
1つは十二指腸に膵液を出して消化に貢献すること、もう1つはインスリンやグルカゴンなどのホルモンを血液に流して血糖のコントロールをすることです。どちらも重要な働きですが、ちょっと地味ではあります。消化液は他の臓器からも補ってくれますし、血糖の変化も普段の生活では気づきにくいからです。
そんな膵臓にできたがんが膵癌です。

膵臓に癌ができると当然膵機能が侵されます。たださっきも書きましたが膵臓の仕事は重要ですが地味です。そのため多少膵機能が落ちても普通は全く気づきません。気づかないうちに膵癌は成長して進行してしまうため、現在でも根治が難しいがんになっています。

いろんな癌が克服されつつある現代でも、膵癌はいまだに予後が極めて不良ながんとして君臨しています。
どれくらい悪いのか想像つくでしょうか?
こちらが膵癌の生存率になります。国立がん研究センターの情報を図にしてみました。

膵癌の生存率

皆様の想像通りでしょうか?膵癌と診断された場合、5年後に生存している確率はざっくりいうと10人1人くらいということです。
これはかなり悪い数字です。他のがんと比べてみます。

5年生存率の比較

驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
他のがんにかかっても治ることが増えてきた昨今、膵癌の発生は徐々に増加しています。

年齢べt部のり患数の推移

国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))から作成

皆様、想像通りでしたでしょうか?
次回は膵癌の症状について語りたいと思います。

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