当部門の概要・特色
「患者さんの立場にたって」をモットーとし、チーム医療を主軸に行っていきます。
自分や家族が受けたいと思える治療をスタッフ一同、心がけております。
2019年4月よりラディザクトによる放射線治療を開始しました。ラディザクトは放射線治療器トモセラピーの進化型の治療機械です。
2019年度患者内訳
ラディザクトの特徴
放射線治療の代表例
前立腺がん
前立腺がんの放射線治療は、手術と同等の効果が得られることがわかっています(病期による)。
治療期間中は、仕事や趣味を続けることも可能で、大多数の方は日常生活を送りながら通院で治療を受けることができます。
膀胱への副作用(血尿など)を軽減するためには尿量コントロールが必要です。治療前に毎回、専用の超音波装置で尿量測定し尿量コントロールをしております。
乳がん
乳がんの手術後の再発予防、生存率をあげるために放射線治療を行います。治療期間中は、仕事や趣味を続けることも可能で、大多数の方は日常生活を送りながら通院して治療を受けることができます。
(株)日立製作所より提供
転移性骨腫瘍 (骨転移)
放射線治療によって「痛みの原因」 を取り除きます。
痛みを取り除き、腫瘍を縮小させて、将来的なまひや骨折予防のための治療を行います。
IGRTとは
IGRTとは毎回の治療時に画像を撮影し、治療する位置を確認して正確に放射線を照射する技術です。
患者さんの位置や体内臓器の位置のずれを正しい位置に修正します。
当院のIGRT
当院では、ラディザクトで治療前に毎回MVCT(位置合わせ用CT)を撮影します。
位置合わせ用CTと治療計画用CTを重ねて、正確に位置を合わせます。
PreciseARTとは
治療期間中に生じる体形の変化や体内臓器の位置の変化によって、予定の放射線治療と大きく変化していないかを確認します。
【前立腺がんの例】
毎日の治療で体内臓器(膀胱、前立腺、直腸)の形や位置、大きさはわずかながら変化します。
青色:膀胱、赤色:前立腺、緑色:直腸
治療ごとに形や大きさがわずかに変化します。
Yang D, et al. 2009より一部抜粋
当院のPreciseART
予定の放射線治療と、実際の放射線治療を比較して、体形変化や体内臓器の変化がないかどうかを確かめています。
大きな変化がある場合には再計画をすることもあります。
医師・スタッフ紹介
治療スタッフ
放射線治療医
患者さんの状態に合わせて放射線治療の方針を決めます。
治療前から治療中また治療後まで、必要に応じて診察を行います。他科の医師とも連携して放射線治療を実施します。
医学物理士、診療放射線技師
患者さんにあった最適な固定具を作成し、治療計画用CTを撮影。治療計画の補助を行います。
作成された治療計画が正確に行われるかの検証作業を行います。
看護師
治療前、治療中、治療後の全期間を通して、患者さんの気持ちに寄り添って不安を和らげる支援をします。治療による副作用の観察とケアを行います。
他部署との連携
必要に応じて、栄養相談、心理的なサポート、社会的な背景の支援を行っていきます。
治療の流れ
放射線治療の流れ
1.初診
放射線治療医が診察を行います。副作用や治療スケジュールについて説明します。
ご家族も一緒にお聞きください。
2.治療計画用CT(MRI)
固定具(マスクや専用マットなど)を作成し、治療計画を立てるためのCT(MRI)を撮影します。
身体に印を書き、シールを貼ります。
3.治療計画・検証
患者さんにとって最良の治療を提供できるよう、治療計画用CT、MRIをもとにした治療計画を立てます。
計画通りに放射線が当たっているか確認します。
準備期間は基本的には約1週間ですが、状況に応じて開始を早めます。
4.治療開始
治療時間は、約15~30分です。治療計画用CTと同じ状態で行います。
治療中に体内・体形変化がある場合はPreciseARTを用いて、再治療計画の必要性を検討します。
毎日の治療の流れ
1.受付、着替え
受付後、治療計画用CTと同じ検査着に着替えます。
2.ラディザクトに横になる
治療計画CTの時と同じ体位で寝台に横になります。
固定具を使用する場合もあります。
3.ラディザクトでCT撮影
放射線治療装置ラディザクトで位置合わせ用CTを撮ります。
位置合わせ用CTと治療計画用CTを重ねて、正確に位置を合わせます(IGRT)。
4.放射線治療
放射線治療を行います。治療中は動かないようにしてください。
5.Precise ART
Precise ARTで体形・体内臓器の変化がある方の放射線治療計画に大きな変化がないかを確認し、場合によっては再治療計画を立てます。
(株)日立製作所より提供
よくあるご質問
健康保険は使えますか
使えます。費用は治療方法によって異なります。保険診療ですので、高額療養費制度も利用できます。
入院しなければ治療を受けられませんか
お仕事や家事、育児を行いながら通院し、治療することも可能です。
予約時間についてはご相談ください。
治療および治療以外について不安があります
看護師や認定看護師への相談、場合によっては臨床心理士のサポートも行っております。
痛みが強いのですが、治療開始は他の患者さんと同じですか
可能な限り調整し、優先して治療開始するよう配慮させていただきます。ご安心ください。
治療を途中でやめても大丈夫ですか
決定した治療計画通りに治療を行うことをおすすめします。
治療を途中で休止したり、治療期間が延びると治療効果が下がる病気もあるからです。
治療の休止・中止のご希望がある場合は、主治医・担当医にご相談ください。
治療期間中に小さな子供が周囲にいても大丈夫ですか
当院では身体の外から放射線をあてています。患者さん自身から放射線が出ることはありませんので、ご安心ください。
治療によって髪の毛は抜けますか
放射線治療は、基本的医はあてた部位にしか効果も副作用もでません。
頭部以外に放射線をあてた場合には、髪の毛が抜けることはありません。
どのように放射線治療科を受診すればよいですか
主病名の担当科からの紹介で受診していただきます。また、初診・再診とも完全予約制を実施しております。