当部門の概要・特色
放射線科は放射線(X線)、磁力、超音波などを利用して体の内部形態を画像化します。さらにラジオアイソトープなどを利用して生理的な機能を画像化し、診断のための有力な情報を提供しています。また、2019年4月より高エネルギーの放射線を用いた、高精度放射線治療を開始しました。従来の装置と比較して正常組織にあたる放射線量を少なくし、悪性腫瘍等に集中して照射が可能です。
救急診療に対応するため当直体制で臨んでおり、マンパワーが必要な場合のため待機体制も組んで対応しています。緊急のカテーテル治療などが必要な場合には、さらなる呼び出しにも対処できるようにしています。
資格・認定者数
資格・認定 | |
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第1種放射線取扱主任者 | 7人 |
マンモグラフィー認定技師 | 8人 |
X線CT認定技師 | 5人 |
放射線管理士 | 6人 |
放射線機器管理士 | 5人 |
超音波検査士(消化管領域) | 2人 |
医療安全管理者 | 1人 |
医療情報技師 | 2人 |
胃がん検診専門技師 | 2人 |
Ai認定診療放射線技師 | 2人 |
医学物理士 | 2人 |
放射線治療専門技師 | 2人 |
放射線治療品質管理士 | 1人 |
救急撮影認定技師 | 2人 |
核磁気共鳴専門技師 | 3人 |
医療被ばく相談員 | 1人 |
臨床実習指導員 | 1人 |
医療画像情報精度管理士 | 3人 |
ICLSインストラクター | 2人 |
肺がんCT検診認定技師 | 1人 |
施設のご案内
1階フロア(MRI、CT、一般撮影、乳房撮影、骨密度検査、パントモ撮影、透視検査)
MRI装置(2台)
磁石と電磁波を使って体の中の情報を画像化します。患者さんが体を動かすことなく、任意の方向で画像を作ることができるのが特徴です。X線を用いないため、被ばくの心配もありません。
どちらのMRI装置も高感度で高速に撮像し、高画質の画像を提供します。1検査あたり20~30分要します。
①フィリップス Ingenia 1.5T
②フィリップス Ingenia 3.0T
CT装置(2台)
X線を用いて体の中の断面像、輪切りにした画像を作ることができます。
当院のCT装置は、画像を作り出す受光面が多列化された検出器を採用しているため、短時間・少ない線量で細かい画像を得ることが可能です。
心臓のような動きの早い臓器の血管の描出や、脳血管のように一瞬のタイミングが重要な部位にも適しています。
①東芝 Aquilion ONE(320列)
②シーメンス Definition AS+(128列)
一般撮影装置(3室) フラットパネル 富士フイルムメディカル CALNEO
胸部・腹部・全身の一般的な骨などをX線で撮影します。
X線写真もデジタル化が進んでおり、当院ではフラットパネルディテクタ(FPD)を搭載した装置を導入しています。
FPDは、従来のX線検査より少ない線量で同等の画像を撮影することができるため、被ばく量を減らすことができます。また、撮影と同時に画像確認が行え、患者さんの待ち時間の軽減が図れます。
乳房撮影装置 富士フイルム AMULET Innovality
トモシンセシス対応の「FUJI Film Medical アミュレットイノバリティ」という最新鋭の乳房撮影装置を導入しました。従来のマンモグラフィと新しい技術であるトモシンセシスの両方の撮影が可能です。また、当院で撮影を行うのはすべて女性技師です。
日本人女性の多くは、脂肪組織が少なく乳腺密度が高いため、画像上白っぽく写ります。同じように白く写る病変部とのわずかな差を写し出すことが乳房撮影最大の目的ですが、従来のマンモグラフィ(2次元)撮影では、乳腺が多い部分に重なる病変の有無や良悪性の判別が難しい場合がありました。トモシンセシスでは多方向からのX線を照射した撮影後のデータを1mm厚の断層画像(3次元画像)として表示することで、乳腺の重なりを排除することができ、隠れた病変が見つかりやすくなります。撮影方法は従来とほぼ同じように圧迫板で乳房を押さえ、1方向につき5~9秒で撮影でき、画像も数秒で表示されます。被ばく線量においても従来の撮影とほぼ同じです。症状のある方や二次検診および精密検査を勧められた方が対象です。
女性技師一同、技術を磨いて、早期発見および診断のお手伝いをしたいと思っています。
骨密度測定装置 東洋メディック Horizon Ci
イベントや健康診断でよく利用される超音波タイプの骨密度測定装置とはエネルギーの異なるX線を利用して測定します。骨粗鬆症で骨折しやすい脊椎(主に腰椎)や股関節の骨量を直接的に測定することにより、精度の高い測定ができます。若年成人平均値(20~44歳の骨量の平均)と比較して、70%未満になると骨粗鬆症と診断されます。
骨粗鬆症って?
骨を形成している組織が吸収されて減少し、もろくなった状態です。閉経後、中でも高齢の女性に多くみられます。最近では成長期の極端なダイエットによる栄養不足が原因の骨粗鬆症が問題になっています。他に局所の循環障害、カルシウム代謝異常などが要因となる場合があります。
パントモ撮影機器 モリタ Veraviewpocs 2DeB
パントモ(断層撮影)
パントモ撮影とは、歯全体、顎全体、鼻腔を1枚の断層写真として撮影したものをいいます。主に歯や歯周組織全体の様子や顎の関節、上下顎骨の状態を診る目的で撮影します。
セファログラフィ(規格撮影法)
セファログラフィは骨格の成長に伴う変化や歯の経時的な移動の観察、矯正治療の効果判定などの目的で行います。毎回同じ写真が得られるように耳の穴に固定具を挿入して頭部を固定し、規格化された方法で撮影します。
透視検査装置(4台)
透視装置は、体内をリアルタイムに透視することができる特性を生かして、胃や大腸のバリウム検査や、その他に消化器系、泌尿器系、婦人科系などさまざまな造影検査が行われます。整形外科領域では脱臼や骨折の整復に利用されます。
また、胆のう・胆道・膵臓疾患に行われる内視鏡を用いた検査・治療は透視装置のもとで行われます。他にも、大腸や気管支などで内視鏡を用いた検査に併用されます。
従来、一般撮影で行っていた脊椎側弯症検査(全脊椎撮影)が低線量かつ短時間で行えるようになりました。当院ではすべての透視装置にFPD検出器を用いた装置を導入しているため、被ばく線量を抑えつつ、鮮明な画像を得ることができます。
①東芝メディカル ZEXIRA TFP1700A
②島津製作所 SONIALVISION G4 LX
③日立メディコ VersiFlexVISTA(Cアームタイプ)
④東芝メディカル ZEXIRA-DSA
豆知識
空港で行われる手荷物検査などもX線透視を使っています。かばんなどを開けることなく、中身をチェックしているのです。
2階フロア(健康診断部門)
健診の放射線部門は2階健診センター内にあります。健診に特化した装置を用いて、「胸部(肺)撮影」、「乳房(乳腺)撮影」、「胃バリウム撮影」を行っています。低被ばくで高画質の検査が行えます。
乳房撮影の撮影は女性技師が担当します。また胃バリウム検査においても、日本消化器がん検診学会認定の「胃がん検診専門技師」を取得するなどがんの早期発見に力を注いでいます。
3階フロア(血管撮影・CT)
低線量・高画質を提供できる機器を導入しています。
知多・東海の広域から緊急で搬送される心臓血管のトラブルなどに対し迅速で正確な検査(手術)が可能です。また、脳血管動脈瘤の塞栓など繊細な検査(手術)にも対応します。
①フィリップス Allura FD20/20
②フィリップス Allura FD10/10
血管撮影室は何の検査をするところ?
血管撮影室心臓を栄養する冠動脈の検査や治療・手術(バルーンカテーテルやステントを用いた血管拡張術)、脳血管にできた動脈瘤へのコイル塞栓、首や足などその他の部位の動脈などにできた狭窄の拡張術、主に肝臓に出来た腫瘍への栄養血管の塞栓術、心臓の電気的信号のずれの補正をするために行うアブレーションまで多種多様な検査を行うところです。血管を広げたり(拡張)つめたり(塞栓)、血管自体の形態を観察したりするなど腫瘍の様態を調べるための重要な検査に対応しています。
シーメンス SOMATOM Scope
手術室から続く、清潔区域に配置されたCTです。ICUや血管造影検査後の患者さん、外来混雑時の病棟患者さんの急変などに対応します。
B1階フロア(核医学検査)
シーメンス Symbia S
RI検査(核医学検査)は、ガンマ線を出す放射性同位元素(RI、ラジオアイソトープ)の「くすり」を静脈注射したあと、このガンマ線を体外からキャッチして、臓器の血流や働きを画像にして調べます。
検査用の放射性医薬品には、半減期(放射能の減衰する時間)の短いラジオアイソトープが用いられ、ごく微量が投与されます。検査はベッド上で静かに仰向けになって行い、撮影時間は30~40分程度です。
撮影された画像(シンチグラム)からは、体内臓器の位置・形状・サイズ・臓器の血流・機能(働き)などの情報が得られます。
増築棟1階フロア(放射線治療センター)
放射線治療装置 アキュレイ ラディザクト(Accuray Radixact)
放射線治療とは悪性腫瘍などへ放射線をあてて治療することです。抗がん剤治療や手術に次ぐ、がん治療の3本柱のひとつを担う治療でもあります。患部へ集中的に、また正常組織になるべく放射線が当たらないような治療計画を立てて実施します。治療時間は部位にもよりますが3~5分、準備などを含めると20~30分です。
治療計画用CT装置 シーメンス Confidence
治療を始める前に治療計画用CTで撮影します。撮影した画像を使って治療計画を立てます。
また、治療時に体が動かないようにさまざまな固定具を作成します。
施設認定
日本診療放射線技師会認定「医療被ばく低減施設」
医療の質の向上と安心できる放射線診療を皆さんに提供するため、2018年4月より施設認定取得に向けた取り組みを約2年間続けました。そして2020年3月、「医療被ばく低減施設認定 第117号」として認定されました。
当院では医療放射線被ばくに対する不安を少しでも取り除く取り組みにも力を入れており、「医療被ばく相談」を行っています。医療被ばく相談員や放射線管理士が医療被ばくや放射線検査についてのご相談に応じます。どんな些細なことでも結構ですので気軽にご相談ください。相談内容によっては、後日の予約対応になることがあります。放射線受付にて予約できますので、ご希望の方はお申し出ください。
日本乳がん検診精度管理中央機構認定「マンモグラフィ検診 施設・画像認定」
2019年度末に健康診断部門の乳房撮影装置を更新しました。1階フロアにある乳房撮影装置・富士フイルムメディカル社のAMULET Innovalityと同機種です。旧乳房撮影装置から画質向上したのを機に、以前にも取得していたマンモグラフィ検診施設認定の審査を受け、A判定と認定されています。2024年4月1日から3年間の認定取得をしています。