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当院では、抗がん剤治療による脱毛の軽減を目的に、令和６年（2024年）２月より「頭皮冷却装置（PAXMAN）」を導入しました。
当該装置は、頭皮を冷却することで毛包（毛の根本）に与えるダメージを軽減し、個人差はありますが、抗がん剤治療（化学療法）の副作用による脱毛症状を抑制することができ、また、早期からの発毛効果も期待できるため、抗がん剤治療を受けている方の脱毛による悩み・不安など、精神的な負担を少しでも軽減できるよう、当院でも運用を開始しています。

当院での乳がんの手術前・手術後に抗がん剤治療を受ける患者さん

効果は患者さんによって異なりますが、次の効果が期待できます。

ほぼ100%の方に完全脱毛が生じる抗がん剤療法において、半分程度の方がウィッグを必要としない程度の脱毛ですみます。（脱毛が全く生じないわけではありません。）

ウィッグを必要とする程度に脱毛をした場合でも、化学療法終了3か月後には85%の方がウィッグを必要としない程度まで毛髪が回復します（頭皮冷却を行わない場合は50%です）。

重篤な副作用はありませんが、ストラップ締め付けによる顎痛、頭皮冷却に伴う寒気による不快感・頭痛などなどが報告されています。

保険診療ではないため、頭皮冷却に関わる費用は全額自己負担となり、また、抗がん剤治療の回数により費用負担は変わります。
なお、医療費控除及び高額療養費制度の対象にはなりません。（詳しくは最寄りの税務署にお問い合わせください）

初回時キャップ代94,050円＋頭皮冷却装置使用料3,300円＝97,350円
２回目以降は3,300円/回

11,000円/回（頭皮冷却装置使用料含む）

主治医までご相談ください。

乳がん患者さんの手術前や手術後の抗がん剤治療を受ける患者さんです。

抗がん剤投与前30分、投与中（抗がん剤により時間が異なる）、投与後90分のそれぞれの時間に行います。

寒さへの耐性は個人差がありますので、人によっては不快に感じることもあります。頭皮の温度が急速に低下する（約37℃から20℃前後）ため、最初の10分～15分が最も不快であるとの報告もあります。

いいえ。成功した場合でも、まったく髪が抜けないわけではありません。ほとんどの患者さんは化学療法後約２週間後に髪が抜け始めますが、頭皮冷却により、毛包への血流が減少し、脱毛を抑制する効果があると言われています。ただし、脱毛は個人差があり、同じ抗がん剤を投与していても同じ結果になるとは限りません。