診療コラムMedical column

【第1回】慢性腎臓病(CKD)のお話(連載)

腎臓内科主任部長 久志本 浩子 2025年01月20日 腎臓内科

慢性腎臓病(CKD)のお話 連載第1回

皆さん、慢性腎臓病(CKD)という言葉を聞いた事がありますか?
最近時々テレビのコマーシャルでも話題になっていますし、公立西知多総合病院腎臓内科でも、この言葉を知ってもらおうと様々なイベントを開催しているので耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?このホームぺージでは毎回様々な病気のことをお伝えしており、今回は私たち腎臓やさんにもお声をかけていただきました。
これからしばらく、腎臓病についてコラムを書かせていただきますので、よろしくお願いします。

「慢性腎臓病」という言葉が誕生したのは実は2002年です。それまでは教科書にも載っていませんでした。ではこの病名を世界に送り出したのは腎臓内科の医師だったのでしょうか?実はそうではありません。循環器内科、いわゆる心臓が専門の先生が腎臓という臓器が傷んでいると心臓にとても大きな影響があることから提言した言葉なのです。

皆さんも怖いと思っている「心筋梗塞」ですが、糖尿病を患っていると起こりやすいということはご存知かと思います。しかし、実は糖尿病があっても腎臓病のない方と、腎臓病があっても糖尿病がない方を比べると、腎臓病をもっている方のほうが危険度が高かったのです。

慢性腎臓病が危険なことはよくこのような氷山の図で表されます。この図のなかで「末期腎不全」というのは、腎臓の働きが低下してしまって、自分の腎臓の力だけでは生きていけなくなった状態、生きていくためには“透析治療”が必要になった状態を指します。
海の上に出ている氷山の部分だけみると、心筋梗塞や心不全とは関係がないように見えますね。でもその根っこのところではこの「慢性腎臓病」という病態でつながっているのです。

“もしかしたら自分も慢性腎臓病なのでは?“なんて不安になりましたか?健康診断のデータをもっていたら見ていただきたい項目が二つあります。
一つは尿検査、蛋白尿がでていませんか?
もう一つはeGFR、60未満になっていませんか?
次のコラムではこのあたりをしっかり説明させていただきます。乞うご期待!

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