病院だより 第23号 薬薬連携について
薬剤科 森田 優
薬薬連携とは
病院・診療所の薬剤師と保険薬局の薬剤師が連携して患者さんの薬に関する情報を共有し、入院してからも退院してからも切れ目のない安心・安全な薬物療法を提供するために連携することを薬薬連携といいます。
お薬手帳を活用した薬薬連携
お薬手帳は非常に大切な薬薬連携のツールのひとつです。お薬手帳には、いつ・どこで・どんな薬が処方されたか、既往歴、アレルギー歴、副作用歴など大切な情報が記入されています。これらの情報を医療機関と保険薬局で共有することで、患者さんに安心・安全な薬物療法を提供することができます。
具体的に当院でお薬手帳を活用している場面を紹介します。
➢ 入院時
お薬手帳により、入院前に使用していた薬を把握することができます。また、手術前や検査前に休薬が必要な薬の有無や、薬のアレルギー・副作用歴を確認することで、入院中も安心安全な治療を行うことができます。
➢ 退院時
入院中に新たに開始された薬や、変更となった薬(中止、減量・増量、他の薬へ変更など)を退院時にお薬手帳に記載します。また、入院中に起きた薬のアレルギーや副作用があれば合わせて記載します。そうすることで、退院後も安心安全な薬物治療を継続することができます。
➢ 外来がん化学療法時
治療内容・副作用などを記載した化学療法計画書(レジメンシール)をお薬手帳に記載しています。保険薬局とこれらの情報を共有することで、飲み合わせの悪い薬や重篤な副作用の確認を行うことができます。
お薬手帳を活用しましょう
医療機関や保険薬局へ行くときは、必ずお薬手帳を提示するようにしましょう。また、医療機関ごとに何冊もお薬手帳を作るのではなく、一冊にまとめることが大切です。ご協力お願いします。