病院だより 第20号 安全管理と感染対策

安全管理と感染対策

 新型コロナウィルス感染症により甚大な影響を受けられ苦労されてみえる方々に心からの労いを申し上げます。
 各地に多大な被害を及ぼした長い梅雨が明けて酷暑の季節となりました。この暑さに加え感染対策も必要であることから、十分な健康管理を行うことに難しさが感じられます。一日も早い感染の収束と延期されましたオリンピックが来年不安なく楽しめることを願っております。

 この4月から前田雅彦先生より医療品質管理センター長の任を引き継がせて頂きました。当院の基本方針の第1項に"患者さんの生命と人権を尊重し、安心安全な医療を提供する"と謳われており、その実現に中心的な役割を担う部門と考えております。医療安全管理と感染対策室の2部門からなり、専属の人員を中心に活動しています。

 医学の飛躍的な進歩により質の高い医療を受けることが患者さんより求められ、我々医療者も質の高い医療を提供するため日々精進して体制を整えております。しかし個人の努力にも拘らずメディケーションエラーは防げないと考えられており、1999年に米国医学院より"人は誰でも間違える:より安全な医療システムをめざして"という報告がなされました。組織として対策を講じてエラーの起こる確率を少しでも下げることが医療安全管理室に求められる事であります。職員からのレポートをもとに問題点を拾い上げて分析し対策を促す。その過程において提供する医療の質をも向上させることに繋がればと考えております。

 コロナ禍におきまして残念ながら第2波と考えられる感染がこの愛知県におきましても広がりをみせております。感染対策室を中心に今年の2月から対策チームを立ち上げ、多職種で様々な対策を講じてきました。院内でのマスクの義務化、面会制限に訪問規制、受付での体温チェック・感染トリアージ、院内設備面での対策・整備、検査体制の見直しなど。職員への注意喚起や教育も行って院内感染の防止を徹底し患者さんの安全確保に繋げております。COVID-19に対する対処法は世界中で検討され診療方針は日々updateされております。最新の知見を参考にしてその時々の最善と思われる体制を整備していくことが感染対策室に期待されているものと受け止めております。

 このような活動を通じて病院が基本理念にある"質の高い医療を提供する、信頼される病院を目指す"ことに繋げる努力をして参ります。

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